2013年09月22日

身弱物語

台風が通り過ぎる一夜を眠れぬまますごした弱男くん。

隣町のおじいちゃん家は雨降りしていないだろうか?

おばあちゃんが、様子を見に行って転んだりしていないだろうか?

通勤途中にある崖は崩れていないだろうか?

心配で眠れなかった弱男くん。


「早く起きないと、遅刻するよ~」

そんな声に起こされた弱男くん


眠い目をこすりながら外を見ると、既に雨は止んでいて

空を覆っていた厚い雲も、薄くなって

風に流されていた。

下に降りて行くと

「台風は東日本から、三陸沖に達し温帯低気圧に・・・」

ニュースが伝えていた。



「今日は、何処に行っても台風の話題ばかりかな」

そんな事を思いながら、朝食を流し込み

ささっとスーツに着替えた弱男くん


「行ってきます」

勤務先の「推命銀行、己支店」までは車で10分ほどの距離である。

弱男くんは健康の為、自転車通勤をしていた。

近所のおじさん、おばさん達に

「おはようございます」

挨拶をしながら、いつもより力を込めてぺタルを踏み込んだ。

「弱男くんは、いつも挨拶を欠かさない良い子だね」

「そうよね、明るくてスポーツマンだしね」

そんな会話が、弱男くんを見送っていた。


「ガチャン」

タイムカードを押して、職場に入ると

「おはようございます」

「おはよう」

まずは挨拶を済ませて自分のデスクに座ると

そこには、書類の束が

昨日遅くまでかかって仕上げたはずの書類?


「チェックしてみたら、計算ミスがあったから」

振り返ると、残業を押し付けて来た先輩が

「てめーの仕事だろう、チェックしたんなら自分で訂正しろよ!!」(怒)

心中穏やかでない空気がよぎったが

口からは、

「スイマセン、何回もチェックはしたんですがミスを教えて頂いてありがとうございます」

「すぐに修正します」(泣)


「初心者みたいなミスは困るんだよ」

「大至急やってくれたまえ」


弱男くん、頑張れ・・・・・・


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